十人十色
手長猿は上手に枝を渡り歩きます。
ムササビは滑空して移動します。
ウサギはピョンピョン跳ねます。
馬と牛でも歩き方は違います。
形が違うということは、行動が違うということにつながり、行動が違えば、考え方も変わります。
空を行くものと、地を行くものとでは見える景色も違います。
違う世界に生きているようなものなのかもしれません。
子どももひとりひとり、みな個性が違います。
それは姿形の違いのせいでもあり、考え方、得意不得意、楽な姿勢、集中できる姿勢もみなひとりひとり違うのです。
いわゆる“よい姿勢”というものは、見た目に良いというだけで、身体にとっては負担以外の何ものでもありません。
学校などで一律に、同じ格好をさせるというのは、人を育てているのか、人型ロボットを教育しているのか。
“よい姿勢”の強要は、身体への負担となるということは、それを続けさせれば、不調が生まれ、それによって“悪い姿勢”、例えば、猫背だとか、ストレートネックや、側弯症、骨盤の歪み、顔の歪みなどにもつながってしまいます。
その子どもに適った姿勢を取ることができれば、集中力も増し、不調にも、身体を歪めることも無くなります。
日本では明治になるまで椅子文化が定着しませんでした。
お店の軒先などにあるような腰掛けはありましたが、室内に椅子がある、ということは貧富関係なくありません。
腰掛けは、あくまで腰かけに過ぎず、ずっと座る物ではありません。
椅座というのは人体構造上、もっとも負担の大きい姿勢だということが分かっています。
立ってるほうが断然楽ですし、床に座った方が負担は少ないのです。
今、学校から会社まで、椅子に座る時間の方が長くなっています。
それだけ身体に負担のかかる姿勢を私達はとっているのです。
本当はそこから見直せると良いんですが。
アメリカの企業などでは椅子を取っ払って、立ってデスクワークをするところも増えてきています。
我慢強い、負けず嫌いな性格の子どもは、身体をねじる傾向がありますので、真っ直ぐ机に向かうより、斜めになった方が集中しやすい姿勢になります。
即決、即断力のある子供は、そもそも、座っていることができなくて、歩き回っている方が脳味噌の回転が良くなります。
こんなの習って何の役に立つんだよ、って考えやすいタイプですね。
アメリカはこういうお国柄なので、先ほどの例のように、立ってデスクワークなどの方が効率的だと考えて直ぐ実行していきます。
ジッとできないタイプをADHDとか、発達障害としか見なせないというのは大人の理解力が余りにも無さ過ぎます。
反対に動かずにジッと考えて考えて、石橋を叩いて渡らないという子もいます。
こういう子どもは煮つまると、手や足を高い位置に上げて調整をしたがります。
机に足を乗せるのが、ただお行儀が悪いということでも無い、ということです。
大体みんなそうですが、好きなことには集注できるんです。
中でも集注力の高い子は話しかけられても気付かないとか、いつまででも一つのことをやっていたりします。
そういう子は大体、正座して、身体全体で対象物に集注するので、小さく縮こまっています。
このときに目が近すぎるとか、言ったところで聞く耳を持ってません。
ただ、邪魔をされたとしか感じませんので、その子がひと息ついた時に、目などのケアを充分にしてあげるようにすることです。
人間は空腹の時の方が身体も頭もよく働くようになっているんですが、お腹が空いていると、それが気になって集注できない子もいます。
すぐお喋りに夢中になってしまうとか、面白そうなことにすぐに気をとられてしまうので、気分屋に見られがちですが、お腹が落ち着けばとりあえずは収まります。
糖はあまり良くないので、するめとか、茎ワカメとかそういうもので、紛らわせば良いんです。
それを集中力が無いとか、叱ったってどうにもなるもんじゃありません。
結局、その子はその子なりに集注する形をとらなければ集注できません。
集注すれば勝手に自分の一番集注しやすい形になっているんです。
机に向かうと集注できる子もいますが、それはほんの一握りで、机に向かっては集注できない子が、いくらでもいるんです。
それを「姿勢が悪い」とか、「お行儀が悪い」と頭ごなしに決めつけてしまえば、集注できなくなるのは当たり前です。
だから、“良い姿勢”を強制することが集注力を削ぐ一番の原因になります。
子どもの集注力が無いのはあなたのせいだということです。
身体の歪みを気にするのなら、集注している時では無く、集注が切れた時に、充分に身体を整えてあげれば、子どもの身体はまだまだ柔軟性が高いのですから、それでリカバリーできます。
だから、そこを気をつけてあげるのが親御さんの仕事だと言えます。
実際、歩き回っていたり、集注力が無いように見えると不安になるかも知れませんが、それが彼らの個性だと思えば、不安は無くなりますよね。
良く見てあげて、どういう時に集注しやすいんだと理解してあげること以外に、出来ることはありません。
それを邪魔をしておいて、集注力が無い、と叱られたら、子どもはどうしようもありませんよ。
“良い姿勢”はただただ、見た目が良いと言うだけで、身体にとっては負担以外の何ものでもありません。
人間だって動物のハシクレですから、動くのが本文です。
それを長時間、椅子に拘束している時点でおかしいんです。
まして、子どもの集注力なんてそんなに続くものじゃありません。
強制をするから歪むんだ、ということを、ぜひ理解して下さい。
本来、子どもの修正力は高いので、一晩寝たり、くすぐってやるくらいで歪みはとれるものです。
それがストレートネックだとか、猫背だとか、骨盤が、背骨が歪んでいるっていうのは、それだけ強制をした結果が現れているということです。
近視だって、虫歯だって同じです。
子どもの集注力は、子どもが活き活きとできる状態で初めて発揮されます。
今の身体は今までの結果です。
今歪んでいるのなら、整えてあげましょう。
そして未来の身体を作るのは今からの生活です。
ここでは大枠でしかお話しできませんので、個別なご相談などございましたらお気軽にお声かけ下さい。
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身体は固体だと思いますか?
液体だと思いますか?
気体だと思いますか?
身体の約70%は水分だと言われます。
その水分は海の成分と同じです。
生命は海で生まれました。
海と切り離されては生きていけないので
身体の中に海を抱え込んで陸に上がってきたのが私たちです。
羊水は海そのものですね。人間も最初の一年近くは海の中で暮らします。
身体の中の海が澱んだり、バランスが乱れたり、干上がったりすることが、身体の様々な不調となって現れています。
赤ちゃんの身体は理想の身体です。
快い身体で愉しく、もっと悦びにあふれた毎日を送りましょう。